初めてのライティングに揃えるべき機材

初めてのライティングに揃えるべき機材


ライティングって、機材を揃えるためのお金、それらを持ち運ぶ体力と操る知識の3点セットが必要なわけで、なかなかハードルが高い。

しかし、それだけの価値はあると思います。
写真というのは光で作られるもの。光を自分の意図に合わせてコントロールすることで撮れる写真、ライティング無しでは撮れない写真があるからです。

何事もそうですが、一番難しいのは「始める」こと。一歩踏み出してしまえば、あとはなんとかなるもんです(笑)
私が試行錯誤を繰り返しながら得てきた自分なりのKNOW・HOWを、簡単にまとめてみたいと思います。何かしらお役に立てれば幸いです。

まずは、初めてライティングに挑戦するときに必要な機材を紹介します。

前提

  • オフカメラフラッシュを使いましょう。
    カメラ内蔵フラッシュやカメラの上に取付けるタイプのフラッシュ(オンカメラフラッシュ、クリップオンフラッシュとも言う)は、利便性や速写性には優れているものの、構造的に「正面から照らす」使い方しかできません。工夫したところで天井や壁バウンスぐらいが限界。
    光と影を自由にコントロールするには、カメラから離れたところから照らせる「オフカメラフラッシュ」が必要です。
  • 必要な事前知識は、マニュアルで露出を合わせられること。
    今時の殆どのカメラはEVFやモニターからリアルタイムで露出確認できるので、マニュアル露出だって別に難しいことではありません。オートより少し手間がかかるだけです。
    ライテックは、露出の3要素 - シャッタースピードと絞り(F)値、ISO感度 - に加えて、「ライトの明るさ」も考慮する必要があるので、露出の「勘」があった方が上達の近道です。
  • 定常光ではなく、フラッシュを使いましょう。
    この記事は、写真 - 静止画撮影のライティングが前提です。シャッターを押したときの一瞬だけ光る瞬間光である「フラッシュ」は、ずっと光っている光(定常光)ではないので、動画撮影には使えません。
    写真専用のフラッシュが蛍光灯やLEDライトなどの定常光に比べて優れているところは、もっと軽くてコンパクト、光量が大きくて、光がより綺麗(色がよく出る=演色性が高い)等が挙げられます。
    デメリットは、撮ってみるまではどんな明るさの写真になるのかがわからないことですが、まぁ、こればかりは慣れるしかありません。少しずつコツをつかんでいけば、フラッシュを焚いた時のイメージがなんとなく浮かぶようになります。
    頭の中のイメージを写真で実現する為に、光を組み立てていく過程こそがライティングの醍醐味でもあるので、あきらめずに乗り越えてください。
  • 記事で紹介している商品の価格は「大体の目安」として、作成時点(2024/3)にAmazonからざっくり調べた大雑把な金額です。

フラッシュ

まずライト無しでは話が始まらない。
フラッシュ、ライト、スピードライト、ストロボ、...色々な呼び方がありますが、みんな同じものを示すのだと思ってもらってOKです。

必須条件は、この2つ ↓

オフカメラで使える (リモート発光できる) こと
カメラのシャッター信号を、離れたところのライトに送って光らせる仕組みがオフカメラフラッシュシステムです。
ケーブルや紫外線、他のフラッシュの光に同調するなど色々な通信方式がありますが、最近はカメラに電波送信器(コマンダー・トリガー)をつけて無線電波通信する方式が主流です。 つまり、コマンダーの電波を受信してリモートで操作(発光)できるフラッシュが必要です。通信はメーカー毎に互換性がないので、コマンダーとフラッシュは同じメーカーで揃えましょう。
自動(TTL)調光できること
TTL : Through the Lens - レンズから入ってくる光の明るさでカメラとフラッシュが適正発光量を自動で決めてくれる機能のことです。つまりオートモード。
慣れるとマニュアル調光の方が楽だったりしますが、慣れるまでは自動があった方がいいです。
これもメーカー毎に互換性がないので、お持ちのカメラでTTLが使えるフラッシュを選んでください。(普通はSONY用、NIKON用…と製品名に書いてあります)カメラメーカー純正品が一番確実にカメラと連携することは言うまでもないですが、互換品でも一般的な使用には問題ありません。

おすすめのメーカーは、コストパフォーマンスで選ぶならGodox、クオリティ最優先ならProfotoです。

中国メーカーのGodoxは、カメラメーカーやProfoto等ハイクオリティメーカー製品の半分以下の値段で、80%以上のパフォーマンスを出すという驚きのコストパフォーマンスが魅力です。
昔に比べてべてライティングのハードルが低くなったのも、Godoxはじめ中華メーカーの低価格攻勢のおかげといっても過言ではありません。

そのGodoxのパクリ元(笑)が、スウェーデンのライティング機材専門メーカーProfotoです。
製品の品質、光の綺麗さや安定性が最高レベル。値段も最高レベルなのが難点ですが、「いつかはProfoto」がライティング沼の定めです。予算に余裕があるなら、最初から思い切ってProfotoにしといた方が長い目でみれば経済的、且つ、賢い選択かもしれません😆
冗談はさておき、正直、Profotoはかなり高価なので初心者に進めるのはちょっと...しかし、「機材のせいにしたくない」真面目な方の為に、一応合わせて紹介しておきます。

カメラメーカー純正品は、1灯だけオンカメラで使うなら最も良い選択ですが、「オフカメラライティングシステム」を組むなら、割高になるのであまりお勧めできません。
それならもう少し頑張ってProfotoにするか、割り切ってGodoxを選んだ方が幸せになれると思います。

Godox TT685II

20,000円±

godox-tt685

オンカメラでもオフカメラでも使えるので最初の1本におすすめ!
値段も比較的リーズナブルなので、迷ったらとりあえずこちらにしておけばいいです。もし途中でライティングをやめても、これならまだそこまでいたくないでしょう。
単3電池を使うので、外で電池が切れても対応しやすいのはメリット。その代わり、専用電池に比べてチャージタイム(1回発光してから、次に発光できるまでかかる時間)が長いので、速いテンポで撮影するには厳しいし、連続使用時は光量や色温度が安定しない時がある等のデメリットがあります。

もっとコンパクトな製品もたくさんありますが、オフカメラで使うなら少なくともGN40以上の光量は欲しいです。Ws表記の製品なら50Ws以上は欲しいですね。(あくまで私の感覚値ですので、目安程度に思ってください。ややこしい話は割愛しますが、GN/Wsはフラッシュの明るさを示す単位です。)
また、もっと安い製品の中にはTTLが使えないのもあるので、要確認。初心者には自動調光がないフラッシュはなかなかハードルが高いです。

Godox V1

35,000円±

godox-v1

発光部が丸くて大きいので、光がより綺麗です。専用リチウム電池を使うのでチャージが早く、テンポよく撮影できるのもポイント。出力を抑えれば、ある程度の連写も可能です。
上記TT685IIより2倍近く高いし、少し大きくて重くなりますが、撮影のテンポを重視するなら投資の価値ありです。光らせたいときに光らせないって意外とストレスが大きいですからね。
光の安定性も比較的良好ですし、マグネットで簡単に取り付けられる専用アクセサリーキットも結構便利です。(別売り。1万円程度)

光がどこに当たるかが確認できるモデリングライト(定常光)も付いています。
※注意:このフラッシュのモデリングライトは出力が小さい(暗い)し、おまけに黄色い光なので動画には使えません。

Profoto A10

150,000円±

profoto-a10

Godox V1のオリジナル(?)的な製品です。当然といえば当然、V1と特徴、メリット・デメリット諸々よく似ています。
値段が5倍近く高いですから、ビルドクオリティや操作性、光の質、安定性など、全てにおいてGodoxより上なのは当たり前。ただ、価格差程の違いがあるかというと。。。まぁ、コピー品とオリジナルの価格差を、スペックだけで評価するのが間違いではありますが。

とにかく、最高レベルのクオリティなのは間違いありませんが、初心者にいきなり進めるにはさすがに高価。
前述しました様に「コマンダーとの互換性」の為に - つまり、Profotoでシステムを組んでいく予定なら、当然Profotoのフラッシュが必要なので、出費は痛いけどこちらのフラッシュが選択肢になります。

ちなみに、Bluetoothでスマホのカメラからも使えるし、ファームウェアアップデートもスマホからできます。(GodoxはBluetooth未対応)
まぁ、スマホカメラにライティングまで拘る人は少数派だと思いますが。。。😅


無線フラッシュコマンダー

フラッシュの次に必要なのが、無線でフラッシュを操作するためのコマンダー。トリガーとも言います。
シャッター信号の連係だけでなく、複数のフラッシュの発光ON・OFF、光量調整、機能設定などもできたりします。

Godox Xpro

10,000円±

godox-xpro

TTLも使えるし、5台(※)のフラッシュの設定を無線で確認・制御できるので、Godoxのフラッシュを使うならこちらにしておけば間違いありません。
※5台以上つなげることもできますが、初心者対象の内容ではないので割愛します。

もっと安くて小さいのも有りますが、その代わりリモートフラッシュ制御の機能が弱かったり、操作性が悪かったりします。
そのうちマニュアル調光しようとすると、モニターも大きいし、ボタンなどUIも充実したこちらの方が使いやすいです。価格も大差無いので、特に理由が無ければこちらがおすすめです。

Profoto Connect Pro

60,000円±

profoto-connect-pro

簡単に言えばGodox XproのProfotoバージョンです。(+Bluetoothでスマホのアプリからいろいろ制御可能)

Connectという非常にコンパクトでもっと安いコマンダー(というより、あれは本当にトリガーですけど)もありますが、電源とオート・マニュアルの切り替え以外のUIが一切無いので、出力を調整したり、フラッシュを制御したりすることはできません。厳密に言えば、Bluetoothでスマホアプリから出力調整やフラッシュのコントロールができますが... いちいちスマホをポケットから出して、ロック解除して、アプリ立ち上げて、調整して、カメラ持ち直して...が思いのほか非常に面倒くさくてやる気がなくなっちゃう。どうせ買うならこちら(Pro)の方がお勧めです。


ライトスタンド

名前の通り、ライトを載せるためのスタンド。カメラの三脚との違いは、より背が高く、設置面積がより小さいのが挙げられます。

ライトスタンドだけは、少し高くてもしっかりしたのを選んで欲しいです。
安さだけが取り柄の粗悪品を選んでしまうと、勝手に畳まれてライトが落下したり、ポールが折れたりでライトまで壊れる可能性が高い。最悪は、モデルや通行人に怪我をさせてしまう可能性だってあります。
大事なことだから2回書きます。一度買ったら長く使える物ですし、ライトスタンドだけはケチらずにしっかりしたものを選びましょう。

Manfrotto ナノプラスポールスタンド 5002BL

15,000円±

nano stand 5002BL

三脚で有名なマンフロットのライトスタンド。軽くてコンパクな割には安定性も優秀。自分が使ってみたスタンドの中では、総合的に見て一番満足度が高かったです。

もっと軽いスタンドもたくさんありますが、あまり軽いと転落するリスクも高くなるので、とにかく軽ければいいってもんでもないです。特に屋外で使う場合はある程度の重さがあった方がかえって使いやすいです。

耐荷重4kg、全伸高197cmなので、アマチュアレベルのフラッシュとアクセサリは問題なく使えます。
コンパクトさ最優先の場合は、これより一回り小さい ナノポール 4段ライト(MS0490A)がお勧め。カーボン素材の製品もありますが、個人的にはアルミで十分だと思います。


ライトスタンドブラケット

ライトスタンドにフラッシュを取り付けるためのパーツ。カメラ三脚でいうなら雲台に該当します。
ライトスタンドと同じく、あまりしょぼいのを買うとフラッシュがちゃんと固定できなくなるので、しっかりしたものを選びましょう。

Godox S2 ブラケット

3,500円±

godox s2

製品写真からわかると思いますが、真ん中の大きい穴にフラッシュを入れて、ビスを回して板で固定するタイプです。
なぜこんな丸い形になっているかといいますと、この製品は Bowense(ボーエンズ)マウントアダプターですから。カメラのレンズマウント(ソニーEマウント、キャノンEFマウント...)と同じく、ソフトボックス等のアクセサリーもそれぞれつけられるマウントがあります。中でもBowenseマウントはGodoxをはじめ色々なメーカーから様々なアクセサリーが販売されているので、アクセサリーに困ることはないです。

意外と(?)しっかりした作りで、少し重めのフラッシュとアクセサリーをつけてもしっかり固定されるし、アンブレラを差し込む穴も有るので、ソフトボックスを使わない時にも活躍します。
短所は、結構大きくて嵩張ること。厚さもあって、なるべく荷物を減らしたいときには地味に邪魔です。

Manfrotto スナップティルトヘッド MLH1HS-2

5,000円±

manfrotto MLH1HS-2

こちらはアンブレラ、または小型アクセサリー専用と割り切ったタイプ。フラッシュをそのまま載せて使います。小さくて軽いので、屋外撮影に使いやすいです。

もっと安価な類似品もたくさんありますが、私の経験ではこいつが一番しっかり固定できました。


トランスルーセントアンブレラ

いよいよ最後です!あとは光を和らげるためのディフューザーが有れば、「最低限のライティングシステム」の完成です。
オフラインフラッシュを使う主な理由の一つは、アクセサリーを使うためと言えるほどアクセサリーは重要なパーツです。光を和らげるディフューザー以外にも、逆に光を固くするハードライトリフレクターや、光の形を変えるスリットなど、様々な種類のアクセサリーがあります。

そんなたくさんのアクセサリの中で、私の最初の一本目のお勧めは、「トランスルーセントアンブレラ」です。

今日は機材の紹介なのでライティングについての詳細は割愛しますが、フラッシュの光を和らげるディフューザーは大きく2種類。箱型のソフトボックスと、傘そのもののアンブレラです。
一般的に人気が高いのは、光の当たる範囲と方向をコントロールしやすいソフトボックスですが、組み立てと解体に腕力とコツが必要なのが難点です。

それに対して、トランスルーセントアンブレラは、傘を開いてライトスタンド側のアンブレラホールに差し込むだけでセッティング完了!
名前通り、半透明な傘に光を透過させて、大きい発光面(=傘の直径)の拡散されたやわらかい光にするという極めてシンプルなディフューザーですが、自然で柔らかい光が簡単に得られますし、アンブレラと被写体の距離を調整すれば、コントラストの調整もしやすいです。背景まで光を回すのもソフトボックスより簡単です。(逆に背景をどんと黒く落とすには向いてない)
デメリットは、アンブレラ全般に言えることですが、形的に風の影響をもろに受けるので、風の日に外で使うのは厳しい。派手に倒れます。(ソフトボックスだって風に倒れるのは同じですが、アンブレラよりはマシ)

UNPLUGGED STUDIO 33インチ トランスルーセントアンブレラ

2,500円±

UN-032

Amazon等を検索すれば、数えきれないほどのトランスルーセントアンブレラが出てきます。この製品は一応自分が使ってみたことがあるのでお勧めに挙げていますが...正直、アンブレラは消耗品なので、怪しいほど安いものでなければ、ショップのレビューや評価を参照にテキトーに選べばいいと思います。
コンビニビニル傘と同じく、意外と長持ちするときもあれば、理由もなく簡単に壊れたりもします。まぁ、安いので大きい声で文句は言えませんが、くじ運に左右されます。自分もロケでいきなり壊れて困った経験があります。

基本的に、ディフューザーは大きければ大きいほど良いですが、大きすぎると、狭いところでは使いにくいわ、スタンドとブラケットもしっかりしたものじゃないと倒れて壊れるわと良いこと無し。おまけに持ち運びも大変です。よって、最初の1本目は無難に80cm~100cm程の物がいいと思います。

Profoto アンブレラ トランスルーセントS

12,000円±

Profoto umbrella

Profoto のフラッシュを心に決めているなら、アクセサリーまで合わせちゃいましょ旦那!(笑)
Profotoの魅力の半分はアクセサリー(Profoto曰くライトシェーピングツール)にあると言っても過言ではありません。高品質で使いやすいアクセサリーがそろっているのも強みの一つです。アンブレラも例外ではありません。
はい、お察しの通り、値段以外はなんの問題もありません (;´・ω・)

当たり前とも言えますが、光(が当たった被写体の色)は安価な中華メーカーのそれより奇麗です。結構丈夫なので、安いアンブレラより信頼性も高いし、長く使えます。
そう考えると、アンブレラだけでも気合入れてProfotoにするのもありかもしれませんね。

奥行が深い深型(Deep)の方が光をコントロールしやすいですが、高価なうえに重たいので、初めは普通タイプの方がいいと思います。


名付けて「ライティングビギナーセット」はこれで完成です!\(^o^)/
Godoxでそろえれば、5万円程、Profotoでそろえれば24万円程ですねー。まぁ、安い出費ではないですが、新しい写真表現の手段を手に入るためなら価値のある投資だと思います。だって、レンズやボディだけでは絶対真似できないのがライティングですから。

思ったより記事が長くなってしまったので、今日はこの辺で。合間を縫って、使い方の説明も書いてみたいと思いますので、またよろしくお願いします。

何かと少しでも参考に慣れたら幸いです。

avatar
photographer

Photographer based on Nagoya Japan. Born in Korea. Father of two. Husband of a Japanese woman. Street and Portrait photography lover. Software engineer. Simple person :)